1 青春の詩

「青春とは、人生の或る時期をいうのではなく、心の様相をいうのだ。優れた想像力、逞しき意志、燃ゆる情熱、怯懦を退ける勇猛心、安易を振り捨てる冒険心、こういう様相を青春というのだ。
 年を重ねただけで人は老いない。理想を失うときに初めて老いが来る。歳月は皮膚のしわを増すが、情熱を失うときに精神はしぼむ。苦悶や狐疑や、不安、恐怖、失望、こういうものこそあたかも長年月の如く人を老いさせ、精気ある魂をも芥に帰せしめてしまう。

 年は、70であろうと17であろうと、その胸中に抱きうるものは何か。曰く、『驚異』への愛慕心、空にきらめく星辰、その輝きにも似たる事物や思想に対する欽迎、事に処する剛毅な挑戦、小児の如く求めてやまぬ探求心。人生への歓喜と興味。

 人は信念とともに若く、
 疑惑と共に老ゆる。
 人は自信と共に若く、
 恐怖と共に老ゆる。
 希望ある限り若く、
 失望と共に老い朽ちる。 

大地より、神より、人より、美と喜悦、勇気と壮大、偉力と霊感を受ける限り、人の若さは失われない。」

以上は、米国の詩人サミュエル・ウルマンの詩をジョン・ルイス氏が日本国占領軍司令官マッカーサー元帥に贈ったものの和訳の一部です。マッカーサー元帥は、この詩を机側の壁に掲げて、朝なに夕なに愛唱したと伝えられています。